前回2006年5月に初めて開催された、ファッション誌の編集者などプレス関係者を招いたプレスプレゼンテーション。濱野の130年の歴史の中で守り続けてきたバッグ作りへの想いを語り合い、大正〜昭和初期の頃にデザインされたバッグなどの展示が多かった前回とは違って、今回は2007年春夏シーズンのために新たなテーマを添えた新作コレクションを中心に発表致しました。また、前回発表した復刻版パイソンバッグ「風雅(fuga)」に続いて、今回も新たに昭和初期のデザインの復刻版を2作品発表いたしました。

場所は、表参道の隠れ家的レストラン「Ape Reine Tokyo」。表参道から細道を入っていくとひっそりと佇む黒塗りの建物の地下が会場に。入り口へ向かうため建物の奥に歩を進め、らせん階段を下りていくその様子は、本当に‘秘密の隠れ家’へ誘われているかのようでした。

今回特に注目が高かったのは、復刻版の2作品。昭和初期のバッグの現物と一緒に展示しましたが、どちらが古いバッグだか分からないという方もいらっしゃったほど、忠実に再現することが出来ました。大正〜昭和の時代から変わらず守り続けている確かな技術があったからこそ再現できた、口金の作りにも注目が集まりました。昭和初期の頃の雰囲気はそのままに、使いやすさなどは現代風に少しアレンジを加え、発表してきた復刻版のラインナップ。130年続く老舗だからこそ現存する昭和初期のバッグに興味を持って取材してくださる編集者の方も多く、前回に引き続き今回も復刻版を楽しみにご来場頂いた方も多くいらっしゃいました。


2007年春夏シーズンは、昭和初期(1930年代)に2代目初男が手がけたクロコダイルのハンドバッグを復刻しました。当時としてはまだ珍しい素材であったクロコダイルを使い、すっきり細身に仕上げられたフォルムを持つこのバッグは、海外の最先端のファッションのエッセンスを取り入れ、今なお洗練されたモダンな印象を与えます。

これまで軽井沢に ある蔵の中でひっそりと眠り続けてきたこのバッグが、時代を経た現代でもなお 魅力的に感じられるのは、そこに不変の“美しさ”が潜んでいるからではないで しょうか。中に多くの仕切りを設け「財布・小物入れ」として持ち歩くパーティーシーンのアイテムとして仕立てられたバッグからは、当時の女性たちの奥ゆかしい上品な佇まいすら感じることができます。

復刻モデルでは現代らしいモダンを楽しんでいただけるよう、元型のスタイリッシュなデザインや革の質感はそのままに、デニムスタイルなど日常でより気軽に「バッグ」としてお持ちいただきやすいようアレンジを加えました。1本ずつ職人が手作業で仕上げるクラッチの部分には濱野の刻印を加え、またひとつ手の込んだ仕上がりとなりました。

このバッグを復刻するにあたって、濱野お抱えの口金職人土岐氏に依頼し、ほとんど違いが分からないくらい忠実に口金部分が製作されました。この口金の復刻に時間がかかり、前回のプレゼンテーションではお披露目できなかったクロコダイルのハンドバッグが、今回ついに発表にいたりました。



*上の画像、または商品名をクリックして頂くと、デューティーインターナショナル社運営の
  オンラインショップ「
Musee de HAMANO(ミュゼ・ドゥ・ハマノ)」の商品ページに移動します。

春夏新作コレクションのテーマの一つ、“スポーティーマリン”に合わせて復刻することになったのが、こちらのマリンテイストなハンドバッグ。今らしいデザインに見えますが、実は、元となったデザインは昭和30年代頃のもの。

昭和初期の頃のハンドバッグと言えば、口金を用いたフォーマルやセミフォーマルなシーンに使える固い雰囲気のハンドバッグが多い時代でした。その時代に変化が見られるようになったのが、昭和30年代頃。デザインにカジュアルテイストが加わり始めます。蓋をかぶせるタイプなどの、形はセミフォーマルだけれど、革や金具などでカジュアル感を出したデザインのものが見られるようになりました。このバッグはその頃デザインされたもの。口金を用い、形はきちんとしたセミフォーマルなものですが、手染めの革に白いラインを乗せ、ゴールドの大ぶりの金具を用いたことで、カジュアルに楽しめる雰囲気に仕上がりました。本格的にハンドバッグ作りを始めた2代目濱野初男の時代は、このように、移り変わるファッションの流れに沿って、新たなテイストを取り込み、ハンドバッグ作りの本場フランスやイタリアでの技術やデザインソースの習得に励んでいた時代でもありました。

「道行く人が振り返るようなバッグを作りたい」そんな初男の想いが現れているバッグの一つではないでしょうか。



*上の画像、または商品名をクリックして頂くと、デューティーインターナショナル社運営の
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↓前回のプレスプレゼンテーションレポートはこちらから